研究者,Mathematica を使ってハチの行動を分析
- 記号計算—方程式を解く
- グラフィックス—2Dおよび3Dの方程式プロット,等高線マッピング,密度プロット
- プログラミング
アリゾナ州ツーソンにある米国農務省のカール・ヘイデンミツバチ研究センターでは常に物事が騒然としています.ここでは,研究者がミツバチの行動を解析するのに Mathematica が役に立っています.
Mathematica は,ミツバチの採餌パターンの研究に関係する代数計算の実行およびグラフィックスの作成において鍵となることが数年前に証明されました.米国農務省の物理学者Charles Shipman氏は採餌分布データを調査し,花を咲かせる植物に受粉するためにミツバチはどれだけ遠くまでどのようなパターンで飛ぶのかを突き止めた研究者のひとりです.その結果は,農家がアーモンド,メロン,綿,柑橘類の生産量を上げられるように,養蜂家が蜂の巣を置く最適な場所を決める助けとなっています.
今後の課題はどのようにしてミツバチの行動パターンを変えていくかということにあります.「このために,私たちはまずどのような刺激がどのレベルである特定のミツバチの反応を引き起すかを研究しなければなりません」とShipman氏は述べます.多数の入力パラメータと,それが行動パターンに及ぼす影響とを記述するための方程式が開発されています.方程式は Mathematica で操作され,そのグラフィック表現により研究者は関係をよりはっきりと見ることができます.Shipman氏によると,場合によっては Mathematica なしでは不可能であったタスクもあり,それらのタスクにはどれも非常に多くの時間と労力を要することになていただろうということです.
研究者は,例えば,暗い巣の中で5万匹のミツバチがどのように調和・共存しているのか,また,どうしてミツバチは,滑らかな表面を持つほぼ完璧な6角形で底部が三角錐になっている巣を作るのかを理解しようとしています.Shipman氏は「この謎を解明するためには,環境的で内部的な感覚入力が神経系内部で電気的活動の空間的・時間的構造に変換されることと,この種類の活動との間で何が起っているかを理論的に研究することが必要です」と述べています.
「Mathematica が鍵となることが分かっている他の研究に,花粉を散らすために花を揺り動かすときのマルハナバチの動きのコンピュータシミュレーションがあります.これらのシミュレーションで,トマトや他の農産物の振動受粉について理解できるようになります.他の研究では,ミツバチがどのようにものを見るかを特定することができるよう,光の屈折パターンを解析するのに Mathematica が役立ちました」とShipman氏は述べています.
注:アメリカ農務省農業研究所(USDA-ARS)は,本文中で言及してある商標名および商標登録製品を他の類似製品よりも推奨している訳ではありません.
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