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米国海洋大気庁の海洋学者が Mathematica で津波を追跡

「私は理論とデータの関係を探究するために広範に渡り Mathematica を使っています.関数型プログラミング構造により,FortranやC等のように後続する一連の操作を規定するのではなく,私が必要とする結果を素早く記述することができます.Mathematica を使うと,このプロセスの早い段階からコンピュータを使用し,手間の掛かるプログラミング作業を排除することができます.」
Mathematica の強み
  • 数値計算—時系列解析,行列操作,フーリエ変換
  • 記号計算—微積分,微分方程式,代数展開
  • グラフィックス—2Dおよび3Dプロット,データの可視化,曲線のフィット,アニメーション,PostScriptのエキスポート
  • プログラミング—リスト操作
  • ノートブック—研究ログの管理

津波は,特に海岸沿いの町にとって非常に破壊的な惨事となる可能性をはらんでいます.さらに悪いことに,津波は前触れもなくやってくるため,警報が間に合うことはほとんどありません.津波が海岸に打ちつけると,波は海抜100メートルにも上がることがあります.しかし,津波は海底下の地震により起り,外洋でほんの数センチの高さの波から始まります.このような小さな波は,空からも船からも探知できません.幸いにも,米国海洋大気庁の海洋学者がこの現象について研究中で,そのプロセスで Mathematica が非常に役に立っているということです.

シグマソリューションズ社のコンピュータ科学者であり海洋学者でもあるEd Boss氏によると,Mathematica の複雑な記号計算が扱える機能は,手では解けないような問題を解く助けとなっているということです.したがって Mathematica は,現在では太平洋の海底の至るところに配置されている,津波追跡用の海底圧力記録計のトランスデューサの正確さを数値化することにおいて,重要な役割を果たしました.Boss氏は「結果を見ると,私たちが作った装置で1ミリメートル未満の海面変化も記録できることが分かります」と言っています.

Mathematica は,波が岸に近付くにつれてどのように大きくなり変化するかを示すモデルの作成にも役立ちました.このようなモデルは,将来リアルタイムの警報システムに統合することができるかもしれません.海洋大気庁のエンジニアは現在,衛星を介してデータをインターネットに送信するリアルタイムの海底圧計測器を設計しています.「Mathematica で開発したモデルにより,波動の物理的過程がよりよく理解できるようになります.私たちはこの情報を使って,どのような種類の地震もしくはその他の地殻変動が最も津波を発生させやすいかを調べたいと思っています.私たちの研究は,生命を救うだけでなく災害に対する準備活動を改善することを目的としています」とBoss氏は述べています.

詳細:
  • E.F. Boss, "Tsunami Research on the Macintosh," SciTech Journal, vol. 6, no.1 (January 1996).
  • E.F. Boss and F.I. Gonzalez, "Signal Amplitude Uncertainty of a Digiquartz Pressure Transducer Due to Static Calibration Error," Journal of Atmospheric and Oceanic Technology 11 (1994): 1381-1387.
  • E.F. Boss and F.I. Gonzalez, "Corrections to Bottom Pressure Records for Dynamic Temperature Response," Journal of Atmospheric and Oceanic Technology 12 (1995): 915-922.
  • F.I. Gonzalez, K. Satake, E.F. Boss, and H.O. Mofjeld, "Edge Wave and Non-trapped Modes of the 25 April 1992 Cape Mendocino Tsunami," Journal of Pure and Applied Geophysics 144 (1995): 409-426.

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